局所排気装置

局所排気装置 研究者が
中心にいる。
それがすべて。

研究者の安全を確保するうえで重要な役割をもつドラフトチャンバー。
同時に、研究者が使用するプロダクトとしても考えたときの使いやすさ。
この「安全性」と「ユーザビリティ」の完成度を高めていくことがダルトンの使命です。
研究者センタードなデザインで、新たなスタンダードをご提案します。

確固たる低風量化を支える
深化した機構

Technology

側面境界層の影響から解放された新たな封じ込め性能の考え方

従来のドラフトチャンバーでは前面サッシ開口部の作業面と両側面パネル部の境界層※1付近で滞留や逆流が生じやすく、封じ込め性能の低下要因になっていました。作業面上にはサポートエアを搭載し、両側面部に「サイドデント」機構を搭載することで従来仕様(3ラインサポートエア)と同等の封じ込め性能を実現しました。漏洩ガス平均濃度はドイツBG RCI※2推奨値である0.65ppmを大きく下回っています。

※1 パネル面の空気抵抗により、風速が低下する部分のこと。※2 BG RCIとは、ドイツで産業部門を広く管轄する同業者労災保険組合内の規定のひとつ。

低風量時でも一般風量時でも安定した気流を形成するバッフル構造

最適な気流パターンを生み出す新たなバッフル構造を採用しました。低風量時に捕捉面※1からドラフトチャンバー内の気流風速分布を測定した結果、捕捉面平均風速の±20%以内※2となり、きれいで一様な流れが形成されています。

※1 捕捉面とは「ブース内部の換気区域の断面をいい、吸込み側フードから最も離れた位置の有害物質の発散源を通り、かつ、気流の方向に垂直な平面」を指します。 ※2 プッシュプル型換気装置の性能要件は、捕捉面での風速のバラつきが±50%以内とされています。 ※3 標準品の作業サッシ高さは400mmに設定していますが、排気風量の調整によってその他の高さに設定する場合もあります。

ドラフトチャンバー内部の換気効率を改善

サッシ枠と支柱の間に絶妙なすき間を設けることにより、上下サッシ全閉時でも、下部開口部だけでなく両側面からも空気が庫内に流れこむ「サイドエアパス機構」を有しているため、ドラフトチャンバー内部の換気効率を改善します。標準サッシ作業高さで一定量のガスを庫内で発生させ、ドラフトチャンバー内部と排気ダクトの二箇所でガス濃度を測定した結果、発生ガスが効率良く換気されていることがわかります。

技術の結晶がサスティナブルなラボラトリーに貢献

低風量ドラフトチャンバーの採用と標準作業サッシ高さ(400H)の設定で、大幅な風量削減効果が得られます。制御風速基準の一般型(MFA)に比べて、45~56%の風量削減が可能です。(当社比)

あらゆるシーンで万一に備える、安全性の追求

Safety

いざというときも安心の機能を全機種に装備

作業時のトラブルを未然に防ぐ多様な安全対策を施しました。また、従来の製品シリーズではタイプごとに異なっていた使い勝手を統一し、より強固な安全性を目指しました。

サッシの構造を見直し、軽量化に成功したものの、それでもサッシは重量物です。吊り具を摩耗することのないステンレスワイヤ補強付のポリウレタン製のタイミングベルトに統一しました。
安全な作業を順守するために標準作業サッシ高さにストッパーが装備されています。また、今までご要望が多かったストッパーロックのための鍵も標準装備としました。
万一のサッシ事故の場合にも任意の位置でサッシを保持する落下防止機構を内蔵しているため、サッシの落下事故を未然に防ぐことができます。
予期しない液だれなどのトラブルに備え、作業面はディッシュ構造となっています。(間口寸法1800㎜の機種で約9ℓ溜まる構造)また、庫内側面部の排水ポットにも更なる立上げを設けているため、一般排水として流出しない構造としています。

高い視認性で、アラート時もひと目で

運転操作のユーザーインターフェイスとなる操作表示パネルで、運転状況をお知らせしますが、あらゆる角度からでも一目瞭然で特定ができるステータスランプを備えました。

4色LEDとアイコンやディスプレイで運転状況を表示する排気風量モニタを搭載した「操作表示パネル」は左支柱部に配置しました。
操作表示パネルの状況とリンクする色で、アラームの発報をいち早く認識できる位置に設置されたステータスランプ。運転停止時は白色に発光します。

酸やアルカリの使用を想定したスペック

ドラフトチャンバーは、使用用途に応じた機種選定が必要です。主に酸やアルカリを多用する特定用途タイプのラインアップも揃え、それらのユニークな特長を紹介します。

排気プロセスの中で結露した酸性の廃液を受けるポリプロピレン製のトレイを設けています。
一般排水系統に流出しないよう、ポリタンクで回収できる専用ドレインを設けています。
可燃性ガスのコンセントを取付ける際は、天板下のパネル部を使用します。

行為のデザインから導き出したユーザビリティ

Usability

操作性に対するアプローチ

ドラフトチャンバーにおけるインターフェイスはいくつかありますが、それらを操作する瞬間ひとつひとつの行為をイメージして設計ポリシーに落としこみました。

ハンドルとノズルは左右の支柱に集約し、対となる組合せの高さを揃えることで直感的操作を実現しました。
業界初の「3本レール式コンビネーションサッシ」は、上下サッシを開けずに必要な場所に手が届き、開口面積を最小限にとどめます。(固定ガラス仕様も選択可能)

さらなる視野のアップグレード

広い視野を確保できることは、研究活動の合理化やコミュニケーションの活発化につながるため、 視認性に対するデザインも施しました。

サッシの吊り構造を見直したことで、サッシ自体の高さ寸法を最大化させることに成功。一般的な日本人より大柄な研究者であっても、視界を遮られることなく、庫内観察を行うことができます。
フード内の実験内容が側面からも確認でき、視認性を高める「サイドビュー」は、従来よりも大型化を実現し、搭載できるモデルを拡充しました。

有効空間をこれまで以上に確保

研究活動における作業有効空間の大きさは非常に重要です。限られた研究空間の利用効率を最大限にするため、構造全体を見直しました。

ノズル側にもスラントを設けたサイドデント機構で、サイドサービスタイプのドラフトチャンバーの課題でもあった、内部有効面積を十分に確保しています。
下台は、従来比約108%の有効高さを実現しました。また、下台に設置した装置の電源アクセスに便利なコンセントを装備しています。

細やかな配慮で、使いやすく安全な研究活動を実現

エアフォイルと作業面の段差を軽減。フード内部への機器の出入れが容易に行えます。フード内に設置された装置の電源ケーブルは、前面に張り出すことなくコンセントにアクセスできるルートを確保し、作業を安全に進めることができます。

細見落としがちな下台のバリエーションも豊富にラインアップ

ドラフトチャンバーの下部スペースは使用環境や設備要件に応じて柔軟な対応ができるようなラインアップを実現しました。

オープン(幕板あり)
扉付(幕板あり)
扉付(幕板なし)
オープン(幕板なし)
  • 局所排気装置
  • ラボラトリー
    ファニチャー
ラボラトリーファニチャー

研究者の所作をひきたてる相棒。

今まで培ってきたノウハウをベースに、
研究者センタードなデザインを施すことによって、
新たなスタンダードをご提案します。

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